3月7日公開のドラえもんのび太の絵世界物語を観てきた。
今回の監督が、「のび太の新魔界大冒険」「新・のび太の鉄人兵団」「のび太のひみつ道具博物館」の監督を務めた寺本幸代監督だったので、前からハードルが高くなってしまっていたのですが、そんなハードルなどなかったかのように名作でした。
今作は泣かせにくるシーンが後半に連続して出てくるので、いつも映画では目がウルっとすることはあっても泣かないのですが、つい涙が出てしまいました。
感動のシーンはいくつかあるのですが、やはりのび太の描く絵のシーンが印象深いです。
のび太がパパの絵を描きながら「自分の絵は上手じゃない」と言うのですが、パパは「絵で大切なのは上手に描くことじゃない、、、、」と言いながら寝てしまいます。
ここで原作のドラえもんをよく読んでいると、のび太のパパが絵に造詣が深く画家を目指していた時期があったことを知っているので、とても大切なことを聞けなかったなと感じられたはずです。
シーンは進んでマイロという絵師の少年と出会い「大好きなものを大好きと思って描くことが大切」と言われ、のび太はドラえもんの絵を描きます。ここでもまだのび太は自分の絵は上手じゃないと言っています。
その後、この時に描いたドラえもんの絵を大きくして移動させるときに「上手じゃないから恥ずかしい」というのび太に対してマイロが「そんなことないのに」と言います。もうこれだけでグッとくるのにさらに続きます。
最後に、このドラえもんの絵がテレビのニュースに出ることになるのですが、番組の司会者に「上手じゃない」というようなことを言われたときにパパが「分かってないなぁ」と言うのです。
これが本当に泣けてきます。
「上手じゃないかもしれないけど、このタヌキだかなんだかのことを大好きだって伝わってくるじゃないか」ということを言いうんです。
本当に子供に観てほしいシーンだなって思います。
絵のドラえもんが助けてくれたり、仲間との別れだったり、最後に絵にのび太たちが追加されていたりするシーンも心にグッとくるシーンです。
なかなか映画を監督が誰という目線で見ることはないのですが、寺本幸代監督の作品はこれからも追っていきたいと思えるいい作品でした。